2014年12月25日木曜日

Olympus VF-2

Leica M 240はそれまでのデジライカと違ってライブビューが使えます。
ライブビューなんてトーカ堂で売ってるデジカメだって出来る訳だけど
ライカでは出来なかったんですよ。CCDセンサーだったから。
それがCMOSセンサーになったんで出来るようになった。動画も撮れる。
んで、ライブビューが出来るっつーことはEVF(エレクトリックビューファインダー)が使える、ということになるワケです。

どういうことかと申しますと、ライカは一眼レフと違ってレンズに写る映像をファインダーから見るのではなく、正面右上にある窓から被写体を見てて、窓の中には何mmのレンズならこれくらい、というフレームが出てる。そのど真ん中に二重像ってのがあってその二重像を合わせることによってピントを合わせる=レンジファインダーってシステム。
ついでに説明すると一眼レフはレンズを通した映像をフィルムの前にある鏡で反射。反射した映像をプリズムでまた反射させてファインダーから見るという構造。だから一眼レフは大体レンズの上にプリズムが鎮座するとさかみたいなのがあるんだね。これの利点はレンズのままの映像がファインダーから見れることで、レンジファインダーだと望遠レンズを付けると窓の中のさらに小ちゃい枠の中の絵を頭の中で想像してシャッター押さないといけない、という苦労が無くなるんだね。ちなみに一眼レフはシャッターが開いてる間はその反射させる鏡が上に上がる。だからバタン!って音がする。ショックもデカい。一方、レンジファインダーはミラー機構が無いので音もボディサイズも小さく、ショックも無い。一長一短なんだね。それでもレンジファインダーは一眼レフに駆逐されて行く。構造上ズームに対応出来ないのとオートフォーカスにも弱いからね。

もうちょっと説明しよう。
一眼レフはなんで一眼レフと言うのか。
一眼はレンズ一個のこと。レフはミラー構造=レフレクション(リフレクション)のことで、一眼っていうのは他に二眼レフってのがあるから区別として一眼ってわざわざ言う訳。となるとミラーレス一眼ってなんなのよと。レフが付かないなら一眼って言葉も別に要らない。只のデジカメ。事実、コンデジって言われる安いデジカメとミラーレスの間には明確な区別は無く、「イチガン」という言葉の響きを利用したイメージ商法なのです。だってコンデジだってミラーレスだし一眼だからね。カメラの種類ってのはファインダー構造の違いのことなんだけど一緒だからね。ミラーレスとコンデジって。

とうとうライカMに話を戻す。
ライカMはミラーレスやコンデジでは当たり前のライブビュー(画面にレンズからの画像がリアルタイムで映し出される機構)がとうとう可能になったわけ。んで、通常はボディ背面の液晶で見るんだけどさ、カメラ好きな人はやっぱファインダーで見たいわけです。だから背面の液晶に写るものを全て電子ファインダーにミラーする仕組みなんだよね。多くのデジカメがそうであるようにLEICA Mもピン合わせ時に自動で絵が拡大するからピント合わせも短時間。15mmのレンズだって全貌が見える。たったそれだけのことが凄いことなんだよ。ライカ原理主義者的な人はM型ライカ=レンジファインダーだからそんなもんいらん、ってことになるんだけどそういう考えも楽しいと思うし、EVFも使ってみると楽しい。
ちなみにライカのEVFはオリンパス製のOEMで5万円。中身が同じなオリンパスのVF-2が使えるってんで勿論そっちにしました。中古で1万5千円でした。楽しんで行こう。

2014年12月23日火曜日

インタビュー

wafflesのアルバムについて、珍しくインタビューなぞされたので紹介。

http://www.popsicleclip.com/%E7%89%B9%E9%9B%86%E8%A8%98%E4%BA%8B/coloration-%E7%99%BA%E5%A3%B2%E8%A8%98%E5%BF%B5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC/%EF%BD%90%EF%BC%95/

ポプシとも仲良くさせて頂いてるので以前から知ってるポプシクリップさん。
wafflesのカラレーションについてのインタビューを受けて改めてどういうアルバムだったのか考える機会になってよかった。

写真はピアノレコーディング中、プレイバックを聴く大野さん。


2014年12月11日木曜日

ハイレゾのこと

ハイレゾに音源という言葉を付けなければ単なるハイレゾリューション=高解像という意味になってしまうのでアレだがここはメンドイのでハイレゾで書きます。

面倒ついでにハイレゾの定義も省きます。
そして個人的に興味が無い、ということも先に。

興味が無い、というのはちょっと語弊があるかもしれないです。
デジタル録音には2つの主流な方法があって、一つがPCM、もう一つがDSDっちゅー方式なんですな。んで、みんなが耳に慣れ親しんでいるのがPCMというもの。
これはイワユル縦軸(音の強さ)と横軸(一秒間に何回サンプリングされたか)で記録していくやり方、縦軸は16bitなら65,536段階、24bitなら16,777,216段階の音の強さ。
横軸は44.1kHzなら一秒に44100回のサンプリング、96kHzなら96000回という具合。情報量が多いから音が良い、ってワケですよ。
で、興味が無い理由。
1. スピーカーの質、セッティングの方が影響はデカい。
これ、悲しいかなしっかりとしたセッティングなんて素人にはまず無理。オーディオオタクの方達でも上手く行ってる人少ないですよ。難しいんです。大体帯域によって位相が乱れて定位に影響が出る。キックがどっちかに寄っちゃってるのにハイレゾもクソもあるのか、と思います。
2. 44.1kHzは悪くない。
しっかりセッティングしたらの話。でもしっかりセッティングして96kHz鳴らせばいいじゃん、と言われるわけだけどしっかりセッティングすると優劣はあまり感じなくなる。ポップスに限っての話ね。96での録音は情報量が多い。でもそれをコントロールするのが人間で、ポップスならば音にコンプがかかってるんだけどその挙動が耳に聴こえちゃうのって暑苦しい場合が殆どでなじんでなかったりするんだよね。これがクラシックとかコンプ無し、あるいはほんの少しって場合だとその圧倒的な情報量は楽しめるんです。ですが、
3. PCMのクセがある。
PCMのクセなんてDSDが出てくるまで考えたことも無かったですが超あります。96で32bitだろうともクセは抜けない。三つ子の魂百まで。ちなみに96で録音するとハイもローも情報量が増えます。位相感もシビアになります。96で録ってるのに、ハイはともかくローがしっかり聴こえないスピーカでミックスされてるであろうハイレゾって結構あります。ローエンドが整理されていない、折角の96なのにすっぱり切られてる、等。そこでDSDでしょう。が、
4. DSDのフォーマットは普及しない。
時代が軽いデータの方に転がって行ってる中で超ヘビーなDSDは完全に趣味のもの。趣味のものを作って行ける体力がはたして今の日本の製造業にあるのか。無い。SONYもSACD撤退。作っといて。SACD超音良いです。でもDSDで録音されている、あるいは元がアナログ録音である、という条件をクリアしてないとPCMのクセのある音を下位互換的に再生することになる。説明を省いてるけどDSD録音はPCMとは全く違う考え方の録音で、現状だとマトモにパンチインが出来ない、トラック数の限界が低い、その割りに機材が超高いなど体力の衰えた音楽業界が正直邁進なんぞ出来るわけも無い道になってる。サンレコのDSD録音企画見れば分かりやすい。ああいう音楽に向いてる。というか200トラック使うようなクラブ系ではもう問題外。でも音は超良いんですよ!

音の良いフォーマットってのは今までも色々と出て来ては消えてます。CDが残った理由ってのがあり、レコードが消えない理由もある訳です。DSDも消えないと思う。けど普及もしないと思う。DSDが消えないと思う理由は映画産業があるから。Blurayはちょっとずつ普及すると思うしそれに付随して音の質も上がるからオケなんかはDSDで録りたいってなるんじゃないかな。

まとまらないけどハイレゾはその成長期にお金という名の栄養が音楽業界に無い、製造業にも無い、お金持ってるであろうappleは少ないデータを扱いたい、というスパイラルによって完全に趣味のものの域を出ず、それが故に発展せず、大した金にならないならと手を出されず、せいぜい96kHz 32bit辺りの録音が狭いミックスルームで80hz以下の整理もされないままにリリースされ、2万円くらいのイヤホンで再生されるんじゃないでしょうか。お金も人も使ってるやつはそれでも多分凄く良い。ただ、そうじゃない有象無象がウヨウヨする状態から抜け出すには音楽業界周りに体力が無さ過ぎるよね。

よって興味なし。

だから皆さん、良い音で音楽を聴きたい場合はライブに行きましょうよ。

2014年12月6日土曜日

LEICA M のこと

愛用のLeica M9が水没。こんな悲しいことが世の中にあるなんて思わなかったです。
ある日電源が入らなくなってライカジャパンに預けたら

「水没なので保証が付けられず、保証が付けられないということはライカジャパンでは修理出来ない。」

という回答を頂いた。
どういうことかと言うと、俺の大好きなM9はもうただのオブジェになりましたよ、ということ。だって電子系を全交換しなきゃいけない状態で、その電子系を持っているのはライカのみで、そのライカが駄目っつってんだからさ。

俺は涙したね。

しかしライカジャパンの粋な計らいでM9の代替として、現行のM type 240 をとても良心的なお値段でいかが、とのオファー。実際超良心的なお値段だったのだが世間的に考えたらクソ高い。こうなると理由付けとその正当化が自分の中で始まるよね。数日考えさせて下さい、と伝えて次の日にライカ銀座へ。

そのときは行き違いで入手は出来なかったんだけどその後無事にLeica M に乗り換え。
俺のデジタルはとうとうCCDからCMOSになった。

使い始めて暫く経つんだけど幾つか思ったこと。
CCDとCMOSの論争(M9 vs M240)はネット上では結構見るし、俺もM9しか持ってなかったから何とも言えないと思ってたんだけど 使ってみると別の良さがあります。

M9の描写とMの描写は同じレンズを使ってもかなり別物。
解像はMの方が上。拡張性も上。でも出てくる写真はどちらも良い。というのが本音。
1800万画素CCDのM9、2400万画素CMOSのMなんだけど画素数が多いと解像するもんだな、程度。なぜそう思うかと言うとLightRoomでいつも通りに仕上げるといつも通りに仕上がるから。作品(なんて呼べる代物じゃないが)に与える影響はそんなにないのかも。自分の目と感性が変わるわけじゃないってことだよね。
スタジオ内、ライブハウスなんかで撮る時には高感度に強くなったのは正直ありがたい。
でもM9の方がショボい、みたいな事には全くならないね。