2014年12月11日木曜日

ハイレゾのこと

ハイレゾに音源という言葉を付けなければ単なるハイレゾリューション=高解像という意味になってしまうのでアレだがここはメンドイのでハイレゾで書きます。

面倒ついでにハイレゾの定義も省きます。
そして個人的に興味が無い、ということも先に。

興味が無い、というのはちょっと語弊があるかもしれないです。
デジタル録音には2つの主流な方法があって、一つがPCM、もう一つがDSDっちゅー方式なんですな。んで、みんなが耳に慣れ親しんでいるのがPCMというもの。
これはイワユル縦軸(音の強さ)と横軸(一秒間に何回サンプリングされたか)で記録していくやり方、縦軸は16bitなら65,536段階、24bitなら16,777,216段階の音の強さ。
横軸は44.1kHzなら一秒に44100回のサンプリング、96kHzなら96000回という具合。情報量が多いから音が良い、ってワケですよ。
で、興味が無い理由。
1. スピーカーの質、セッティングの方が影響はデカい。
これ、悲しいかなしっかりとしたセッティングなんて素人にはまず無理。オーディオオタクの方達でも上手く行ってる人少ないですよ。難しいんです。大体帯域によって位相が乱れて定位に影響が出る。キックがどっちかに寄っちゃってるのにハイレゾもクソもあるのか、と思います。
2. 44.1kHzは悪くない。
しっかりセッティングしたらの話。でもしっかりセッティングして96kHz鳴らせばいいじゃん、と言われるわけだけどしっかりセッティングすると優劣はあまり感じなくなる。ポップスに限っての話ね。96での録音は情報量が多い。でもそれをコントロールするのが人間で、ポップスならば音にコンプがかかってるんだけどその挙動が耳に聴こえちゃうのって暑苦しい場合が殆どでなじんでなかったりするんだよね。これがクラシックとかコンプ無し、あるいはほんの少しって場合だとその圧倒的な情報量は楽しめるんです。ですが、
3. PCMのクセがある。
PCMのクセなんてDSDが出てくるまで考えたことも無かったですが超あります。96で32bitだろうともクセは抜けない。三つ子の魂百まで。ちなみに96で録音するとハイもローも情報量が増えます。位相感もシビアになります。96で録ってるのに、ハイはともかくローがしっかり聴こえないスピーカでミックスされてるであろうハイレゾって結構あります。ローエンドが整理されていない、折角の96なのにすっぱり切られてる、等。そこでDSDでしょう。が、
4. DSDのフォーマットは普及しない。
時代が軽いデータの方に転がって行ってる中で超ヘビーなDSDは完全に趣味のもの。趣味のものを作って行ける体力がはたして今の日本の製造業にあるのか。無い。SONYもSACD撤退。作っといて。SACD超音良いです。でもDSDで録音されている、あるいは元がアナログ録音である、という条件をクリアしてないとPCMのクセのある音を下位互換的に再生することになる。説明を省いてるけどDSD録音はPCMとは全く違う考え方の録音で、現状だとマトモにパンチインが出来ない、トラック数の限界が低い、その割りに機材が超高いなど体力の衰えた音楽業界が正直邁進なんぞ出来るわけも無い道になってる。サンレコのDSD録音企画見れば分かりやすい。ああいう音楽に向いてる。というか200トラック使うようなクラブ系ではもう問題外。でも音は超良いんですよ!

音の良いフォーマットってのは今までも色々と出て来ては消えてます。CDが残った理由ってのがあり、レコードが消えない理由もある訳です。DSDも消えないと思う。けど普及もしないと思う。DSDが消えないと思う理由は映画産業があるから。Blurayはちょっとずつ普及すると思うしそれに付随して音の質も上がるからオケなんかはDSDで録りたいってなるんじゃないかな。

まとまらないけどハイレゾはその成長期にお金という名の栄養が音楽業界に無い、製造業にも無い、お金持ってるであろうappleは少ないデータを扱いたい、というスパイラルによって完全に趣味のものの域を出ず、それが故に発展せず、大した金にならないならと手を出されず、せいぜい96kHz 32bit辺りの録音が狭いミックスルームで80hz以下の整理もされないままにリリースされ、2万円くらいのイヤホンで再生されるんじゃないでしょうか。お金も人も使ってるやつはそれでも多分凄く良い。ただ、そうじゃない有象無象がウヨウヨする状態から抜け出すには音楽業界周りに体力が無さ過ぎるよね。

よって興味なし。

だから皆さん、良い音で音楽を聴きたい場合はライブに行きましょうよ。

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